歴代ヴァンキッシュ徹底解説｜全モデルの特徴＆スペック

シマノ製リールを語る上で欠かせないのがスピニング界の王様『ステラ』。

そのステラの人気を二分するような立ち位置なのが今回紹介する『ヴァンキッシュ』というリールです。

そんなヴァンキッシュの初代が発売されたのは2012年で、現行モデルである『23ヴァンキッシュ』までに3回モデルチェンジしています。

そこで今回は、歴代ヴァンキッシュ全モデルの特徴とスペックについて徹底的に解説していきます！

ヴァンキッシュとは

ヴァンキッシュ(Vanquish)は、シマノ(Shimano)から発売されているスピニングリールです。

シマノ独自設計である「クイックレスポンス」の生みの親であるモデルで、『驚異的な軽さ』と『俊敏なアクション』が可能になった革新的なリールとして高い人気を集めています。

歴代ヴァンキッシュ一覧

（2012年）初代ヴァンキッシュ

クイックレスポンスシリーズのフラッグシップモデルとして2012年に販売されたのが初代12ヴァンキッシュです。

クイックレスポンスシリーズの始まりであるスピニングリールで、「軽快な巻き心地と、感度の良さ」を売りとしていました。

シマノ史上最軽量で、当時超コンパクトの最新設計「マグナムライトローター」を搭載しているので、巻き始めが他のリールと比べ段違いで軽いモデルでした。

ハンドルからスプールまで、ありとあらゆる部品が軽量化したため、かつてない軽さを実現し大人気リールとして確立しました。

（2013年）13ヴァンキッシュ RTDエディション

『13ヴァンキッシュ RTD(リミテッド)エディション』は、2013年に限定販売された超希少なリールです。

本体の形状は12ヴァンキッシュと全く同じで、カラーリングとギア比を一部追加しています。

当時ギア比の高いリールが爆発的に人気だった背景もあり、ラインナップされた4機種全てがハイギア仕様となっています。

特に「C3000HGSDH」は12ヴァンキッシュに同モデルがなかったため、即完売するほど人気のモデルになりました。

かっこいいデザインな上、限定生産と個数も少ない希少なリールなので、中古品でもかなりの高額で取引されています。それを差し引いても、見かけたら購入を検討する価値のあるリールなことは間違いありません。

（2016年）16ヴァンキッシュ

16ヴァンキッシュからは設計から見直しが入り、内部構造も含め設計変更・改良されました。

ギアの軽さだけでなく耐久性も向上したので、12ヴァンキッシュより軽く剛性もよくなるといったこれまでの不満を解消したモデルとなりました。

シマノのスピニングリールで初めて「マイクロモジュールギア」と「NEWマグナムライトローター」を搭載しています。

このシステムは現在のシマノスピニングリールにも継承されている技術です。

そのため、今も使われている技術が搭載されているリールを安い価格で購入することができるので、16ヴァンキッシュは狙い目ということになります。

（2017年）17ヴァンキッシュ FWチューン

16ヴァンキッシュをベースに「FW（フレッシュウォーター ＝ 淡水）用」にチューニングしたモデルが『17ヴァンキッシュFWチューン』です。

『17ヴァンキッシュFWチューン』のベースは『16ヴァンキッシュ』ですが、デザインは異なる特別仕様のカラーリングに仕上がっています。

ボディはガンメタルで、スプール部分はゴールドとブラックを採用した特別カラーは、渓流釣りにぴったりなおしゃれカラーも大きな魅力です。

（2019年）19ヴァンキッシュ

歴代のヴァンキッシュの中で、最も評価の高いモデルが『19ヴァンキッシュ』です。

これまでとは違い、金属の素材を用いていた部分に樹脂パーツを使うことで大幅に減量することに成功しています。

また、シマノ最高峰のリール「ステラ」と同スペックの機能を採用することで、大きくステラに近づいたリールとして認識されています。

剛性は『16ヴァンキッシュ』より上がっているのも大きな改善で、「軽くなったから弱い」なんてことはありません。ただ、当然ながらステラよりは剛性は高くなのでご注意ください。

巻き心地は、悪く言えば「カスカス感がある」、よく言えば「これ以上感度の高いリールはない」という具合です。

プロが勝負の時に必ず選ぶリールとしても名高いモデルなので、買って後悔することまずないでしょう。

（2023年）23ヴァンキッシュ

初代ヴァンキッシュに近いデザインで個人的にはかなり好きな機種が『23ヴァンキッシュ』です。

『22ステラ』と同様のスローオシュレート機能（密巻き機能）を導入したことで、発売前から大きな注目を集めたモデルです。

自重は19ヴァンキッシュとほぼ同じ。大きな違いは『密巻き機能』と『巻心地』の2つです。

『密巻き機能』が搭載されたことによって、キャスト時の飛距離がUPするようになりました。…が、扱い方によってはライントラブルが発生するので、賛否両論あります。

巻き心地は、悪く言えば「重くなった」、よく言えば「ステラに近づいた」という具合です。

感度の観点から言えば、個人的には19ヴァンキッシュに軍配が上がります。